講 演
 これまで数多くの講演をおこなってきましたが、ここでは最近行ないました、脳手術手技に関しての講演を一部ですが、ご紹介いたします。
 (実際の手術操作の動画部分は、量が多すぎますので割愛しております。)

 脳神経外科医を対象に、リンクスタッフ鰍ゥら、私の手術のビデオ(動画)を公開しております。御参考になれば幸いです。
リンクスタッフ
@.第42回神奈川脳神経外科懇話会
特別講演「傍床突起部脳動脈瘤の手術手技」の内容
 只今ご紹介賜りました 富永 紳介 でございます。  
 まず、ご司会の 藤井 清孝 教授並びに御出席の諸先生方に、一言お礼申し上げたく 存じます。  
 本夕は週末のご多忙の中を、多数の先生方の御出席を賜り、有難うございます。  神奈川脳神経外科懇話会といえば、昭和61年より今日まで42回開催されている、 歴史の長い研究会で、これまで日本の脳神経外学界の第一人者の錚々たる先生方による講演が催されたlevelの高い由緒正しい研究会だと承っております。 その研究会に特別講演の演者としてお引き立て賜り、光栄に存じます。それに今、藤井先生から過分のお言葉を賜り、身に余る光栄に存じます。
 
 さて、早速でございますが、始めさせていただきます。
傍床突起部動脈瘤の手術は、骨性の前床突起による保護、硬膜性のdural ringによる固定、
視神経や蝶形骨洞との近接、などの理由で、比較的困難でしたが、paraclinoid regionの微小解剖の解明や、選択的前床突起の除去術の頭蓋底手術の進歩等により、手術手技はおおむね確立されたようです。  
 しかし、paraclinoid carotid Aが硬膜外から 内にかけて 存在するので、同じparaclinoid aneurysmでも intraduralでSAHをおこしうる、  手術適応例もあれば、 extraduralで、SAHをおこしえない ものもあります。これらが混在しており、現在においても、その動脈瘤がintraduralかextraduralかの 画像上の診断は時に困難です。まず供覧していただきますのは、硬膜内でSylvian fissureを 広く開け、LuerやKerrison punchなどで 前床突起の除去、 視神経管の開放を行った後に、 paraclinoidの後壁動脈瘤にクリッピングを行った症例です。   
 今 画面は 前床突起と視神経管をcoverするduraを 切開して、翻転 している処です。  Rhotonの剥離子で、前床突起の硬膜を剥離しました。ついで、 パンチで前床突起を除去しています。Paraclinoid ANの手術で共通した手術手技は、
1. 広くSylvian fissureを開放し、
2. 前床突起の削除と 視神経管の開放
3. 視神経鞘の切開、ついで
4. 硬膜輪を切開し、clippingを行う、 です。  
proximal controlは、これをどこかで、瘤のdissectionの前の いつかはとっておく、あるいは とれる状態にしておくという事でしょう。  
 前床突起を削除し、視神経管を開放するのに Diamond barによるdrilling、 bone CUSAによるcuretteによる方法があります。いろいろ試しましたが、今は 硬膜内で 主にLuer. Kerrison punch、髄核鉗子などを用いています。その理由は、視神経と蝶形骨洞の粘膜を、損傷しない ことに留意すれば、馴れると、安全で短時間に 完了できることであります。  視神経管を開放すると、視神経鞘の切開に移ります。その切開線は 内頚動脈と視神経鞘との中間よりか 少し視神経鞘の外側縁上寄りでが よろしいでしょう。というのは、この方が眼動脈への損傷が 確実に防げるからです。  今の画面はduraを切開し、神経鞘を切開している処です。  
 次いで 硬膜輪の切開に移ります。前床突起の上面を包んだouter meningeal duraは、 C2 / C3の移行部では、硬膜輪となって、内頚動脈adventitiaと強く癒合しています。それでも ICの内側では比較的粗、loose, lockerですので、ここで切断し、外側部では 内頚動脈の外側で 内頚動脈から数mm離して ICの外周を切開し、ICのmobilityを高めています。  今 画面はoptic strutのdiploic veinからの 出血を防いでいる処です。
 proximal controlについて申し上げます。  proximal controlをとる部位は、open surgeryによるなら、頚動脈を確保する部位として、
@ 頚部内頸動脈
A Glasscock triangleでの内頸動脈錐体部(C6)
B C4 / 3移行部
C C3 が考えられます。  この中、Cを私達は多用し、Bはときに用いています。  @、Aはproximal controlとして有効ですが、頭蓋内でdistal occlusionを行っても、完全なtrappingとなりえない、ということです。ICのcavernous segmentに 豊富なcollateral circulationが存在することが 主な理由です。  画面で、今切りましたのは、数本あるうちの1本の上下垂体動脈です。  proximal ringを切開しますと、anterior cavernous sinusが開放され、C4の末梢部が出現します。pearl likeの色調を見せているのは、C4の 末梢部です。ここでproximal controlをえています。  C3でのproximal controlは optic strutを十分に削除しますと C3が確保できますが、瘤が近接しているときは利用できません。Diamond bar or bone CUSAによる前床突起、視神経管の処置を行った症例です。  heat injury、熱損傷を防ぐために絶えず冷却の必要があります。  今 開いているのは、proximal ringで、C4 / C3 junctionでproximal controlをとろうとしている処です。  出血はanterior cavernous sinusからです。vestex up, surgical packingで防ぐことができます。  distal ringの切開を追加しています。  画面の上の部分がgenu. つまりC3外側壁から、carotid axillaに向けてできた動脈瘤です。

  内頚動脈傍床突起部動脈瘤の分類はいろいろありますが、手術手技の点から4群に分けるのが、よいのではないかと、考えています。  まず、ICの前壁にorificeをもつ前壁群、この中には眼動脈分岐部から 発生する眼動脈瘤と、非分岐部から発生の前壁動脈瘤。  内側部からはcaritid cave ANと上下垂体動脈瘤。  後壁と外側壁からはそれぞれposterior wallとlateral wall aneurysmが発生します。
  今 呈示していますものは私共が行っている前床突起の削除と視神経管の開放のsketchです。  まず、視神経管の内側縁から、前外方に向け、硬膜に扇形の切開を入れ、これに前床突起の先端からの切開を連絡させます。  硬膜を剥離し、先に述べましたようにdrilling or curretting or rongeourringによりましてONとC3をexposeします。  右の図はONとC3をexposeしたものです。pinkの部分が視神経鞘で、左の水色の部分が骨内膜、inner periosteal duraです。この図はinner periosteal duraと、ON sheathを切開、開放した図です。ここがcarotid caveです。carotid caveはC2の内側壁と蝶形骨体との間にできたくも膜下腔です。dural ringよりproximalにありますので、一見C3に面しextraduralに位置するようですが、pouch状に前方に突出したspaceで、くも膜下腔に存在します。したがって、ここに発生した瘤、即ちcarotid cave aneurysmはSAHをおこしえます。

 症例 1 眼動脈瘤
(術中アンギオ)
 A−P view, lateral view です。  図は手術操作手順です。  馴れましたら、また症例によりましては、不必要なものもありますので 適宜省略してもよろしいかと思います。  これは、あくまで私が行っております基本的な手順です。  参考程度に聞いてくださればよろしいかと存じます。 現在 distal ring の切開を行ったところです。  視神経を内方に軽く圧排して、眼動脈の起始部を確認しました。  視神経と内頸動脈の隙間が狭いのでclip2本は無理と判断し、1本のclipにbooster clipを追加しています。 Micro Dopplerで patency を確認しております。ついで術中アンギオを 行って、動脈瘤の写らないこと、parent arteryの narrowingのないこと、血流遅延のないことを確認しています。
 症例 2 眼動脈瘤

 proximal ringの切開後、C4 / C3 junction、その後でC3でproximal controlを行っている処を呈示したいと思います。  C4 / C3 junctionで確保するのと、C3での確保の違いは、後者では 動脈瘤に接近して行うことです。  視神経を圧迫していますが、これは極力避けるべきことです。  幸い、この症例では術後、視神経のcomplicationは免れました。
 症例 3
 
大型あるいは巨大動脈瘤について。
 大型の眼動脈瘤です。  内頚動脈の他にできた巨大動脈瘤と同様に、クリッピングの補助的手段として、@ retrograde suction decompression法と、A trapping tap decompression法があり、いずれも利用しています。  ここで呈示しますのは、まずretrograde suction decompression法の 1例です。  C3からC2にかけて、ICはhair pin状に屈曲していますので、curved clipが適しています。  今、suctionによって瘤がdeflateしています。clipを斜内上方から 外前方に向けて進めています。

 症例 4
 前壁動脈瘤。


 前壁動脈瘤です。前後像では一見、眼動脈瘤のようですが、3DCT からわかりますように、greenの矢印がophthalmic A、blueの矢印が 動脈瘤のorificeで、両者は確実に離れているようであり、術中所見からもやはり前壁の動脈瘤と判断しました。  この例はtrapping tap decompressionによりました。  diamond barでdrilしてtrappingを試みております。  上のclipはC3とophth. Aを一括して、下のclipはPcomのjust proximalのP2とにそれぞれ1本のclipでclippingしております。  せまいwalking spaceですのでclipを節約しました。  clipping中、注意すべきことは周囲組織、とりわけ視神経を損傷しないことです。  瘤を縮小させつつ剥離します。  右のclipをはずしますと、C2とPcomが見えています。つまりC2に できた瘤です。
 症例 5
 前壁動脈瘤。

 特徴として、内頚動脈の前壁から発生し、術者に向かって突出して見えています。 通常は血管の分岐と無関係でdistal ring近傍がそれよりdistalのC2の前壁にみられるものです。distal ringからdome全体をintraduralに出していることが多いです。 Proximal neckの確認と瘤のclippingのためだけなら、前床突起の先端部の除去だけでよろしいですが、頭蓋内のproximal controlをうるためには、前床突起の除去と視神経管開放を行っていることが望ましいと思い ます。 Clippingをいわゆるparallel方向に進めております。  
 症例 6
 内側壁形の動脈瘤


 Carotid cave動脈瘤と上、下垂体動脈瘤、これに血管分岐部のない処から発生した内側壁動脈瘤がこれに属します。  まず、内側壁動脈瘤です。大きくなると近接する上下垂体動脈をinvolveします。容易に分けられると、分けますが、困難ですとspareすることなくclippingしています。 この例はAcomにも瘤がありました。
 症例 7
 Carotid cave aneurysm。

 Carotid cave aneurysmです。これは上、下垂体動脈瘤と殆ど同じ処から発生しますが、carotid cave ANが少しproximalにあります。  neckが、眼動脈のorificeよりproximalにありますので、内頚動脈の血流とは逆の方向からclipを進める時は、有窓clipの内側のbladeを眼動脈の下潜らせる方法がよろしいかと考えています。  全周性に近いdural ringの切開が必要です。  dural ringの切開は、頚動脈の可動性を高めること、クリップの進入を容易にすることの2つの目的があると思いますが、必要なだけ、必要なときに切開を追加するのがよいと考えています。dural ringの切開 にはC3周囲のvenous plexus、即ちclinoidal venous plexusからの出血を伴うからです。
 
 症例 8
 上下垂体動脈瘤。


 上、下垂体動脈は1〜5本、平均2.2本みられるといわれています。 容易にisolateできると、分けますが、危険なら無理はせず、多くは瘤と共にclippingしております。少なくとも1本を犠牲にした例が数例ありますが、この動脈の支配域のdeficitとして視神経や下垂体の機能低下をきたしたことは、これまで経験していません。
 症例 9
 後壁動脈瘤。

 後壁動脈瘤 obliquo viewです。 lateral viewです。  C3、C2の後壁には動脈の分岐がありません。通常broad neckで、 しかも瘤のneckが内頚動脈の裏側にありますので、有窓clipによる 血管形成的なclippingが適しているようです。
 症例 10
 
同じく後壁動脈瘤。

 前例よりも少しproximalに位置している瘤です。  Ap viewです。  lateral viewです。  ICとONを分けています。  distal ringの外側部と、それに連なるduraをcircumferentialに 切っております。
 症例 11
 外側壁動脈瘤。

 C3、genuに発生し、axillaを占拠するように発育したものです。    distal ringを切っています。  proximal control 用にproximal ringをすでに切開し、その切開口をsurgicelで塞いでおります。  このように完全にextraduralにある動脈瘤は、開頭して術野でextraduralに存在してSAHをおこす危険性がないとわかった段階で、 手術を中断すべきだという者もいます。私共もそれを考慮しましたが、三叉神経領域の痛みを主訴としていた患者でしたので、clippingまで もっていきました。術後は消失しました。  術中angio. は示しておりませんが、瘤は写っておりませんでした。
 症例 12
 外側壁動脈瘤。

 前の例と異なり、distal ringにneckの 一部が包まれていますが、Dome全体はintraduralに出ています。  Parallel clippingを行っております。  Paraclinoid ANの手術ではtug sutureが有効です。  この例もdural ringにtug sutureをかけ、clippingしやすいように、瘤を糸でhandlingしています。

 質疑応答


A第1回大阪脳血管障害研究会特別講演
去る平成19年12月1日、
 第1回大阪脳血管障害研究会(於 大阪リーガロイヤルホテル)で、
「内頚動脈傍床突起部脳動脈瘤クリッピングの要点」について、手術ビデオを中心に講演いたしました。 活発な質疑応答、好評裡に終了いたしました。 
 

以下は講演の一部です。
経験した症例について、実際の行なわれる際、どのような手術の順序で行なうべきか、について、ビデオや模式図を用いて示した。
 

 只今、ご紹介いただきました富永紳介でございます。  日頃は吉峰俊樹教授を始め、ご司会の中尾和民先生や多くの先生方から、御高配を賜っております。  本日は、第一回という重要な記念すべき特別講演の御指名にあずかり、光栄に存じます。厚く御礼申し上げます。 早速に本題に入ります。
  傍床突起部動脈瘤の直接手術は、前床突起や視神経蝶形骨洞、海綿静脈洞などに囲まれている等々の理由で、比較的困難とされていましたが、paraclinoid regionの解剖の解明や頭蓋底手術の進歩で、手術や手技はおおむね確立されたようです。
 Paraclinoid ANの手術の順序は、
1. 広くSylvian fissureを開け、
2. 前床突起の削除と視神経管を開放し、
3. 視神経鞘を切開し、ついで
4. 硬膜輪を切開し、clippingを行う、 です。  proximal controlは、動脈瘤のdissectionの前にとっておく、あるいはとれる状態にしておくという事でしょう。  まず供覧していただいてますのは、Sylvian fissureを 広く開け、paraclinoidの後壁動脈瘤にクリッピングを行った症例です。  画面は 前床突起と視神経管をcoverするduraを 切開して、翻転している処です。  剥離子で、前床突起の硬膜を剥離しました。ついで、パンチで前床突起を除去しています。前床突起を削り、視神経管を開放するのに、barや bone CUSAによる 方法があります。いろいろ試しましたが、今は専ら硬膜内で、主にpunchなどを用いています。その理由は、硬膜内のorientationがえられることや、視神経と蝶形骨洞を、損傷しないことに留意すれば、馴れると、安全で短時間に 完了できることです。  
 視神経管を開放すると、視神経鞘の切開に移ります。その切開線は 内頚動脈と視神経鞘との境界よりか、少し視神経鞘の外側縁上寄りでが よろしいでしょう。というのは、この方が眼動脈への損傷が、確実に 防げるからです。  今の画面はduraを切開し、神経鞘を切開している処です。  
 次いで 硬膜輪の切開に移ります。前床突起の上面を包んだouter meningeal duraは、 C2 / C3の移行部では、硬膜輪となって、内頚動脈adventitiaと強く癒合しています。それでも その内側では比較的loose ですので、ここで切断し、更に内頚動脈の外側で内頚動脈から数mm離れて外周を切開し、そのmobilityを高めています。
 carotid cave aneurysmに少し触れます。 その前に、  左上の図はparaclinoid segment, distal ring, carotid-occlomotor membrane、即ちproximal ringを示した図です。  
 右下の図はinner periosteal duraと、ON sheathを切開、開放し、視神経を挙上した図です。  ここがcarotid caveです。  carotid caveはC2の内側壁と蝶形骨体との間にできたくも膜下腔です。  dural ringよりproximalにありますので、一見C3に面し、extraduralに位置するようですが、pouch状に前方に突出したspaceで、くも膜下腔が存在します。したがって、ここに発生した瘤、即ちcarotid cave aneurysmはSAHをおこしえます。  そのような臨床的な意義をもちます。
傍床突起部動脈瘤の分類



 proximal controlについて申し上げます。  頚動脈を確保する部位は、 @ 頚部内頸動脈
A C6(Glasscock triangleでの内頸動脈錐体部)
B C4(Parkinson三角, superior triangle)
C C4 / 3移行部
D C3 が考えられます。
 この中、@、Aはproximal controlとして有効ですが、欠点として 脳動脈瘤と同一視野にないことが挙げられます。  但しC6はC2と吻合させると、trappingの追加により、cavernous sinusを含め、頭蓋内内頚動脈の巨大動脈瘤にも対処できるmeritをもっています。
 これは、平成4年10月に私共が行った症例です。  方法は、middle fossaから入り、 cavernous sinusのouter layerをpeelingし、 ↓ Glasscock △ を開放し、 ↓ graftを介在させて吻合しました。  余談ですが、同様のことをArkansasのAl-Meftyらが、昨年のNeurosurgeryで発表しております。これはそのコピーです。    
 話を戻しまして、C4(cavernous segment)について。  Parkinsonあるいはsuperior triangleの開放は、海綿静脈洞からの 出血が激しく、術野が著しくbloodyとなりますので、実用しにくいと 思います。  CとDを私達は多用しています。  proximal ringを切開しますと、cavernous sinusが開放され、C4の 末梢部が出現します。ここでproximal controlをえています。  C3でのproximal controlは optic strutを十分に削除しますと、optocarotid recessが開放され、C3が確保できます。しかし、瘤が近接しているときは利用できません。
各動脈瘤の手術手順

症例1、眼動脈瘤

A−P view, lateral view です。  図は手術操作手順です。  馴れましたら、また症例によりましては、不必要なものもありますので適宜省略してもよろしいかと思います。  
 誠に僭越ですが、あくまで私が考えました基本的な手順です。  参考程度に聞いてくださればよろしいかと存じます。
 現在 distal ring の切開を行ったところです。 視神経を内方に軽く圧排して、眼動脈の起始部を確認しました。 この例は 中床突起が発達し、いわゆるcarotid clinoid foramen を形成しておりました。 このような例ですと、clipの進入が、時に制限されます。 視神経と内頸動脈の隙間が狭いのでclip2本は無理と判断し、1本のclipにbooster clipを追加しています。 Micro Dopplerで patency を確認しております。
 ついで術中アンギオを 行って、動脈瘤の写らないこと、parent arteryの narrowingのないこと、血流遅延のないことを確認しています。
 
症例2 眼動脈瘤
 proximal ringの切開後、C4 / C3 junction、その後でC3でproximal controlを行っている処を呈示したいと思います。 C4 / C3 junctionで確保するのと、C3での確保の違いは、後者では 動脈瘤に接近して行うことです。  
 視神経を圧迫していますが、これは極力避けるべきことです。  幸い、この症例では術後、視神経のcomplicationは免れました。

症例3  大型あるいは巨大動脈瘤
 内頚動脈の他にできた巨大動脈瘤と同様に、クリッピングの補助的手段として、
@ retrograde suction decompression法と、
A trapping tap decompression法があり、いずれも利用しています。  
 ここで呈示しますのは、まずretrograde suction decompression法の 1例です。  C3からC2にかけて、ICはhair pin状に屈曲していますので、curved clipが適しています。  今、suctionによって瘤がdeflateしています。clipを斜内上方から 外前方に向けて進めています。

 症例4 大型の眼動脈瘤


 前壁動脈瘤です。前後像では一見、眼動脈瘤のようですが、3DCT からわかりますように、greenの矢印がophthalmic A、blueの矢印が 動脈瘤のorificeで、両者は確実に離れているようであり、術中所見からもやはり前壁の動脈瘤と判断しました。  
 この例はtrapping tap decompressionによりました。  diamond barでdrilしてtrappingを試みております。  上のclipはC3とophth. Aを一括して、下のclipはPcomのjust proximalのP2とにそれぞれ1本のclipでclippingしております。 せまいwalking spaceですのでclipを節約しました。  clipping中、注意すべきことは周囲組織、とりわけ視神経を損傷しないことです。  
 瘤を縮小させつつ剥離します。 右のclipをはずしますと、C2とPcomが見えています。つまりC2に できた瘤です。

症例5 前壁動脈瘤

  特徴として、内頚動脈の前壁から発生し、術者に向かって突出するように見えています。 通常は血管の分岐と無関係でdistal ring近傍がそれよりdistalのC2の前壁にみられるものです。distal ringからdome全体をintraduralに出していることが多いです。
 Proximal neckの確認と瘤のclippingのためだけなら、前床突起の先端部の除去だけでよろしいですが、頭蓋内のproximal controlをうるためには、前床突起の除去と視神経管開放を行っていることが望ましいと思い ます。 Clippingをいわゆるparallel方向に進めております。

症例6  内側壁型動脈瘤

   Carotid cave動脈瘤と上、下垂体動脈瘤、これに血管分岐部のない処から発生した内側壁動脈瘤がこれに属します。  
 まず、内側壁動脈瘤です。大きくなると近接する上下垂体動脈をinvolveします。容易に分けられると、separateしますが、困難ですとspare することなくclippingしています。 この例はAcomにも瘤がありました。


症例7 Carotid cave aneurysm

 これは上、下垂体動脈瘤と殆ど同じ処から発生しますが、carotid cave ANが少しproximalにあります。  neckが、眼動脈のorificeよりproximalにありますので、内頚動脈の血流とは逆の方向からclipを進める時は、有窓clipの内側のbladeを眼動脈の下潜らせる方法がよろしいかと考えています。  
 全周性に近いdural ringの切開が必要です。  dural ringの切開は、頚動脈の可動性を高めること、クリップの進入を容易にすることの2つの目的があると思いますが、必要なだけ、必要なときに切開を追加するのがよいと考えています。dural ringの切開 にはC3周囲のvenous plexus、即ちclinoidal venous plexusからの出血を伴うからです。

症例8   上、下垂体動脈瘤

  上、下垂体動脈は1〜5本、平均2.2本みられるといわれています。 容易にisolateできると、分けますが、危険なら無理はせず、多くは瘤と共にclippingしております。少なくとも1本を犠牲にした例が数例ありますが、この動脈の支配域のdeficitとして視神経や下垂体の機能低下をきたしたことは、これまで経験していません。


症例9 後壁動脈瘤 oblique view

  lateral viewです。  C3、C2の後壁には動脈の分岐がありません。通常ここにできる動脈瘤はbroad neckで、しかも瘤のneckが内頚動脈の裏側にありますので、有窓clipによる血管形成的なclippingが適しているようです。

症例10  後壁動脈瘤

 前例よりも少しproximalに位置している瘤です。  Ap viewです。  lateral viewです。  ICとONを分けています。  distal ringの外側部と、それに連なる頭蓋底部のduraを circumferentialに切っております。
症例11 外側壁動脈瘤



   C3、genuに発生し、axillaを占拠するように発育したものです。    distal ringを切っています。  proximal control 用にproximal ringをすでに切開し、出血予防の ためにその切開口をsurgicelで塞いでおります。  
 このように完全にextraduralにある動脈瘤は、術野でextraduralに 存在してSAHをおこす危険性がないとわかった段階で、手術を中断すべきだという者もいます。
 本例で私共もそれを考慮しましたが、三叉神経領域の痛みを主訴としていた患者でしたので、clippingまでもっていきました。術後は消失しました。  術中angio. は示しておりませんが、瘤は写っておりませんでした。


症例12  外側壁動脈瘤

 前の例と異なり、distal ringにneckの 一部が包まれていますが、Dome全体はintraduralに出ています。  Parallel clippingを行っております。  Paraclinoid ANの手術ではtug sutureが有効です。  この例もdural ringにtug sutureをかけ、clippingしやすいように、瘤を糸でhandlingしています。

講演の終わりに、未破裂脳動脈瘤の手術の要点を以下のように述べた。
要点を挙げるとすれば、
@ 広くSylvian fissureを開いて広いworking spaceをうること。
A 症例によっては、内頚動脈と視神経のmobilityをうるため、distal ringを切り、視神経管の全長を開放すること。
B できれば、脳動脈瘤と同一術野のC4/C3移行部かC3にproximal controlをとるようにする。 などかと考えます。

ついで、質疑応答があった。
 





B沖縄脳神経外科特別講演
 去る平成20年4月25日、
沖縄脳神経外科特別講演(於 ホテル日航那覇グランドキャッスル)で、
「脳動脈瘤クリッピングのキーポイント」について、手術ビデオを中心に講演いたしました。 活発な質疑応答、好評裡に終了いたしました。
   眼動脈瘤 

   前壁動脈瘤

   内側壁動脈瘤  

   後壁動脈瘤


   外側壁動脈瘤  
 只今ご紹介いただきました富永紳介でございます。  本日は週末の金曜日、御多忙、お疲れの中をご出席を賜り有難うございます。また、新垣辰也先生からはご司会、私の紹介の労を有難うございます。  
 本日は、特別講演の御指名にあずかり、光栄に存じます。  早速に本題に入ります。 傍床突起部動脈瘤の手術は、比較的困難とされていました。その理由は前床突起や視神経、蝶形骨洞、海綿静脈洞などに囲まれている等々の理由です。しかし近年、傍床突起部の解剖の解明や頭蓋底手術の進歩で、安全に手術が可能となり、手術手技もおおむね確立されたようです。


 Paraclinoid ANの手術の順序は、
1. 広くSylvian fissureを開け、
2. 前床突起を削除し、視神経管を開放し、
3. 視神経鞘を切開し、ついで
4. 硬膜輪を切開し、clippingを行う、 ということになります。  
proximal controlは、動脈瘤の剥離の前にとっておく、あるいはとれる 状態にしておくという事でしょう。  「まず供覧していただいてますのは、左傍床突起部内頚動脈の後壁動脈瘤にクリッピングを行った症例です。
 画面は Sylvian fissureを広く開け、前床突起と視神経管をcoverする 硬膜を切開して、翻転している処です。  剥離子で、前床突起の硬膜をRhotonの剥離子で剥離しました。ついで、パンチで前床突起を除去するのですが、前床突起をおとし、視神経管を開放し、視神経鞘を切開するまでの操作を示した模式図でございます。  
 患側の前床突起を中心に蝶形骨小翼に扇状の硬膜切開を行い、これを中心線の第2の切開を加えます。硬膜片を外側と内側後方に観音開きに翻転します。前床突起を削り、視神経管を開放します。それには、硬膜外からあるいは硬膜内からdiamond barや bone CUSAによる方法があります。  
 いろいろ試しましたが、今は専ら硬膜内で、主にリューエルやpunchなどを用いています。その理由は、視神経と蝶形骨洞を損傷する危険が少ないこと、またこれらを損傷しないことに留意すれば、馴れると、安全で短時間に 完了できることです。  それにもう一つ、硬膜内のorientationがえられることです。  硬膜外からですと視神経と海綿静脈洞とが前床突起と窮屈に接し、また、硬膜内の状態が全く確認できない。特に瘤の位置によってはPrematured ruptureの危険さえ高いというdemeritがあります。  話を戻しまして、前床突起をおとしますとinnner periosteal duraと、その下に視神経と内頚動脈、C2、C3 portionが出現します。前床突起の占めていた空間をclinoid spaceと呼んでいます。視神経管を開放すると、視神経鞘の切開に移ります。その切開線は内頚動脈と視神経鞘との境界よりかは、少し視神経鞘の外側縁上寄りが よろしいでしょう。というのは、このほうが内頚動脈と視神経鞘との境にある眼動脈への損傷が、確実に防げるからです。  次いで、硬膜輪の切開に移ります。前床突起の上面を包んでいたduraは、 C2 / C3の移行部では、硬膜輪となって、内頚動脈外膜と強く癒合します。 それでも、[    ]図、その内側部では比較的looseですので、ここで切断し、更に内頚動脈の外側で切開しますと、内頚動脈のmobilityがえられます。  今 画面はoptic strutのdiploic veinからの 出血を防いでいる処です。  今の画面はduraを切開し、神経鞘を切開している処です。Optic strutはC3とON、眼窩外側壁の間にある骨です。  内頚動脈が海綿静脈から出て、傍床突起部に入る処にproximal ringがあります。傍床突起部からintracranialのdura内に入るわけですが、この入る処にdistal ringがあります。
 内頚動脈傍床突起部動脈瘤の分類はいろいろと提唱されていますが、clippingの立場から4群に分けるのが、よいのではないかと、考えています。  まず、ICの前壁にorificeをもつ前壁群、この中には眼動脈分岐部から 発生する眼動脈瘤と、非分岐部から発生の前壁動脈瘤。  内側部からはcarotid cave ANと上下垂体動脈瘤。  後壁と外側壁からはそれぞれposterior wallとlateral wall aneurysmが発生します。carotid cave aneurysmに少し触れます。 その前に、  この図は、内頚動脈がparaclinoid segment, distal ring, carotid-occlomotor membrane、即ちproximal ringを示した図です。  この図はinner periosteal duraと、ON sheathを切開、開放し、視神経を挙上した図です。  ここがcarotid caveです。  carotid caveはC2の内側壁と蝶形骨体との間にできたくも膜下腔です。  dural ringよりproximalにありますので、C3に面し、一見extraduralに位置するようですが、pouch状に前方に突出したspaceで、くも膜下腔が存在します。したがって、ここに発生した瘤、即ちcarotid cave aneurysmはSAHをおこしえます。  そのような臨床的な意義をもちます。proximal controlについて申し上げます。  頚動脈を確保する部位は、
@ 頚部内頸動脈
A C6(Glasscock triangleでの内頸動脈錐体部)
B C4(Parkinson三角, superior triangle)
C C4 / 3移行部
D C3 が考えられます。  
 この中、@、Aはproximal controlとして有効ですが、欠点として 脳動脈瘤と同一視野にないことが挙げられます。  但しC6はC2と吻合させると、trappingの追加により、cavernous sinusを含め、頭蓋内内頚動脈の巨大動脈瘤にも対処できるmeritをもっています。これは、平成4年10月に私共が行った症例です。  方法は、middle fossaから入り、 cavernous sinusのouter layerをpeelingし、 ↓ Glasscock △ を開放し、 ↓ graftを介在させて吻合しました。  余談ですが、同様のことをArkansasのAl-Meftyらが、昨年のNeurosurgeryで発表しております。これはそのコピーです。    話を戻しまして、C4(cavernous segment)について。  Parkinsonあるいはsuperior triangleの開放は、海綿静脈洞からの 出血が激しく、術野が著しくbloodyとなりますので、実用しにくいと 思います。  CとDを私達は多用しています。  proximal ringを切開しますと、cavernous sinusが開放され、C4の 末梢部が出現します。ここでproximal controlをえています。  C3でのproximal controlは optic strutを十分に削除しますと、optocarotid recessが開放され、C3が確保できます。しかし、瘤が近接しているときは利用できません。


症例1 眼動脈瘤


 A−P view, lateral view です。  図は手術操作手順です。  馴れましたら、また症例によりましては、不必要なものもありますので 適宜省略してもよろしいかと思います。  これは、あくまで私が行っております基本的な手順です。  参考程度に聞いてくださればよろしいかと存じます。 現在 distal ring の切開を行ったところです。  視神経を内方に軽く圧排して、眼動脈の起始部を確認しました。  
 視神経と内頸動脈の隙間が狭いのでclip2本は無理と判断し、1本のclipにbooster clipを追加しています。 Micro Dopplerで patency を確認しております。ついで術中アンギオを 行って、動脈瘤の写らないこと、parent arteryの narrowingのないこと、血流遅延のないことを確認しています。

症例2 眼動脈瘤

 proximal ringの切開後、C4 / C3 junction、その後でC3でproximal controlを行っている処を呈示したいと思います。  C4 / C3 junctionで確保するのと、C3での確保の違いは、後者では 動脈瘤に接近して行うことです。  視神経を圧迫していますが、これは極力避けるべきことです。  幸い、この症例では術後、視神経のcomplicationは免れました。 つぎにCase3  大型あるいは巨大動脈瘤について。  Case3は大型の眼動脈瘤です。  内頚動脈のほかの処にできた巨大動脈瘤と同様に、クリッピングの補助的手段として、
@ retrograde suction decompression法と、
A trapping tap decompression法があり、いずれも利用しています。  まずここで呈示しますのは、retrograde suction decompression法の1例 です。  C3からC2にかけて、ICはhair pin状に屈曲していますので、curved clipが適しています。  今、suctionによって瘤がdeflate、収縮しています。clipを斜内上方から 外前方に向けて進めています。
症例3 大型あるいは巨大動脈瘤

  
内頚動脈の他にできた巨大動脈瘤と同様に、クリッピングの補助的手段として、
@ retrograde suction decompression法と、
A trapping tap decompression法があり、いずれも利用しています。  ここで呈示しますのは、まずretrograde suction decompression法の 1例です。  C3からC2にかけて、ICはhair pin状に屈曲していますので、curved clipが適しています。  今、suctionによって瘤がdeflateしています。clipを斜内上方から 外前方に向けて進めています。


症例4 眼動脈瘤  

 前床突起の切除と視神経後の開放をも引続き提示します。  右の眼動脈瘤の症例です。proximal controlなしでは危険であった例です。C4 / C3でproximal controlをとりました。  瘤膜がうすくて、多少オーバーな表現ですが一触即発の様相を呈して いました


症例5 前壁動脈瘤

 前後像では一見、眼動脈瘤のようですが、3DCT からわかりますように、greenの矢印がophthalmic A、blueの矢印が 動脈瘤のorificeで、両者は確実に離れているようであり、術中所見からもやはり前壁の動脈瘤と判断しました。  この例はtrapping tap decompressionによりました。  diamond barでdrilしてtrappingを試みております。  上のclipはC3とophth. Aを一括してclipをかけ、下のclipはPcomのjust proximalのP2とにかけてのclipです。  せまいworking spaceですのでclipを節約しました。  clipping中、注意すべきことは周囲組織、とりわけ視神経を損傷しない ことです。  瘤を縮小させつつ、よく視神経を確認しながら剥離します。  右のclipをはずしていきますと、C2とPcomが見えています。つまりC2にできた瘤です。


症例6  内側壁型の動脈瘤
 これにはCarotid cave動脈瘤と上、下垂体動脈瘤、これに血管分岐部のない処から発生した内側壁動脈瘤がこれに属します。  まず、内側壁動脈瘤です。大きくなると近接する上下垂体動脈と癒着 します。容易に分けられると、分けますが、困難ですとspareすること なくclippingしております。


症例7 内側壁動脈瘤


 
Carotid cave動脈瘤と上、下垂体動脈瘤、これに血管分岐部のない処から発生した内側壁動脈瘤がこれに属します。  まず、内側壁動脈瘤です。大きくなると近接する上下垂体動脈をinvolveします。容易に分けられると、separateしますが、困難ですとspare することなくclippingしています。 この例はAcomにも瘤がありました。


症例8  Carotid cave aneurysm

 これは上、下垂体動脈瘤と殆ど同じ処から発生しますが、carotid cave ANが少しproximalにあります。  neckが、眼動脈のorificeよりproximalにありますので、内頚動脈の血流とは逆の方向からclipを進める時、有窓clipの内側のbladeを眼動脈の下潜らせる方法がよろしいかと考えています。  
 全周性に近いdural ringの切開が必要です。  dural ringの切開は、頚動脈の可動性を高めること、クリップの進入を容易にすることの2つの目的があると思いますが、必要なだけ、必要なときに切開を追加するのがよいと考えています。dural ringの切開 にはC3周囲のvenous plexus、即ちclinoidal venous plexusからの出血を伴うからです。また、ときに止血が簡単でないことがあるからです。


症例9 上、下垂体動脈瘤  

 上、下垂体動脈は1〜5本、平均2.2本みられるといわれています。  容易にisolateできると、分けますが、危険なら無理はせず、多くは瘤と共にclippingしております。私はこれまで少なくとも1本を犠牲にした例が数例ありますが、この動脈の支配域とされる視神経や下垂体の機能低下をきたしたことは、これまで経験していません。  しかし文献によりますと、たとえば信州大からのreportによりますと 30例中2例に術中VEPが消失し、重い視障害が出たということです。


症例10  後壁動脈瘤 oblique view


  lateral viewです。  C3、C2の後壁には動脈の分岐がありません。通常ここにできる動脈瘤はbroad neckで、しかも瘤のneckが内頚動脈の裏側にありますので、有窓clipによる血管形成的なclippingが適しているようです。


症例11 外側壁動脈瘤    


 C3、genuに発生し、axillaを占拠するように発育したものです。    distal ringを切っています。  proximal control 用にproximal ringをすでに切開し、出血予防の ためにその切開口をsurgicelで塞いでおります。  このように完全にextraduralにある動脈瘤は、術野でextraduralに 存在してSAHをおこす危険性がないとわかった段階で、手術を中断すべきだという者もいます。本例で私共もそれを考慮しましたが、三叉神経領域の痛みを主訴としていた患者でしたので、clippingまでもっていきました。術後は消失しました。  術中angio. は示しておりませんが、瘤は写っておりませんでした。


症例12  外側壁動脈瘤

 前の例と異なり、distal ringにneckの 一部が包まれていますが、Dome全体はintraduralに出ています。  Parallel clippingを行っております。  Paraclinoid ANの手術ではtug sutureが有効です。  この例もdural ringにtug sutureをかけ、clippingしやすいように、瘤を糸でhandlingしています。
 paraclinoid瘤のclippingの要点を挙げるとすれば、
@ 広くSylvian fissureを開いて広いworking spaceをうること。
A 症例によっては、内頚動脈と視神経のmobilityをうるため、distal ringを切り、視神経管の全長を開放すること。
B できれば、脳動脈瘤と同一術野のC4/C3移行部かC3proximal controlをとるようにする。 などかと考えています。


ついで、質疑応答があった。



C3回大隈地区Strokeセミナ−特別講演
平成21年10月23日、
 第3回鹿児島(大隈地区)脳卒中セミナ− 特別講演(於 ホテル さつき苑)で、「脳動脈瘤クリッピングのコツ」について、手術ビデオを中心に講演いたしました。
 「神の手」と評価されました。