大塚薬報

 

 

平成165月号に当院が紹介されました。以下は抜粋です。

 

30年以上前からライブ公開している実力派

 

《難易度高い患者を積極的受け入れ》

 

昨年、日本経済新聞が全国の200床以上の病院を対象に行った未破裂脳動脈瘤クリッピング術、すなわち「くも膜下出血」を予防する手術に関する調査で、全国でも群を抜く手術実績を誇ることが明らかにされた。

その症例数、実に3年間で410を数え、他を引き離してのトップとなった。

これまでにも、名病院、よい病院、実力病院などといったマスコミ発表にも顔を出す常連で、もともとこの分野において定評のある同院だが、この調査でもそうした実力のほどを裏付ける結果だったといえよう。

 

ここ5年間の脳神経外科の総手術件数をみても右肩上がりで増え続け、平成15年には966件にまで増えている。これは全国の大学病院や専門病院でもなかなか到達できる数字ではない。

 

患者もこの病院の実力を知って、近畿圏はもとより日本全国から来院する。時には韓国、台湾、インドネシアなどからの来院患者もいるそうだ。

 

こうした患者の分布が広がりを見せている理由としては、同院が他の病院で救命が困難、あるいは後遺症の可能性が高いと診断された手術困難例であっても、積極的に受け入れているということもある。

「難易度の高い患者を受け入れず助けるべき人を助けなかったら、医師としての社会的責任を果たしたとはいえない。これに果敢に挑戦できる外科医でありたい」と富永理事長は言う。

 

30年の実績誇るライブ公開》

 

一般的に手術数が多い病院のクオリティーが高い傾向にあるということがいわれていて、同院がこの見方を裏切らないだけの高い水準にあることは確かだが、この病院のすごいところは手術の数だけではない。徹底した情報公開である。

 

ライブ公開を始めたのは、開院から2年にも満たないころだから、すでに30年の長きになる。この間、医療関係者にはさまざまな反応があったが、患者や家族には「非常に安心できる」という声が多く、おおむね好評のようだ。

さらに術後には、手術の術中写真やビデオを使って経過結果を説明するとともに、術中写真に執刀医の解説を付して患者本人に渡している。

 

 

《院内の教育研修を積極的に》

富永理事長が外科医になってからの40年で行った手術は1万件を優に超す。世界を見渡してもこの数字というのはギネス級であり、圧倒的だ。この病院が手術実績にこだわり続けてきた理由も、理事長の考え方によるところが大きい。院内スタッフの指導にあたっては、「率先垂範」を旨とし、日々の勉強はもちろん、己を律することが基本にある。日常生活の中でも、手術にとって好ましくないことは極力避ける。

酒、たばこは嗜まない。

 スタッフにとって、こうした理事長自身の医師としての取り組み姿勢が生きたテキストでもあるが、同院のコメディカルのスタッフを交えての院内教育研修にも積極的に取り組む。週1回のカンファレンスを行い、レポート提出を求める。また、外部から講師を招き、院内コミュニケーションや、患者および患者の家族に対する接遇に関する教育をするなどで、個々のスキルアップと病院としてのレベルアップに努めている。

 

この病院を語るとき、手術という先鋭的な医療に眼が向きがちだが、こうしたきめ細やかな医療サービスに対しても優れた機能を発揮しようとしている点も見落としてはならないだろう。要は患者本位なのだ。そこが欠落していては、どんなに手術実績があろうと患者からの支持は得られない。高度な優れた外科医療もこうした支えがあればこそ燦然と輝く。まさに富永病院がそれだ。